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「硝子の迷宮」いとう由貴(ill:高座朗)

あらすじ
弁護士の慎也は、交通事故が原因で失明し、弟の直樹に世話をされていた。そんなある日、慎也は自慰をしている姿を直樹に見られてしまう。それ以来直樹は「世話」と称し、淫らな行為をしかけてくるようになった。羞恥と屈辱を覚えつつも、身体は反応してしまう慎也。次第に直樹から向けられる想いが、兄弟以上の感情であることに気づきはじめた慎也は、弟の執着から逃れようとするが、直樹はそれを許さず――。

本文より抜粋

「……んんっ」
 ズンと奥を突かれて、慎也は詰まった声を上げる。あらぬ部分を擦り上げられているうちに、全身の肌がピリピリと過敏になってきた。軽く肌が触れるだけで、ゾクリとした快感が全身に広がる。
 それに、直樹も気づいたようだった。
 下肢でゆったりと慎也を抉りながら、同時に腹筋で慎也の花芯を扱くように撫で上げる。
 指が、慎也の乳首を押し潰した。
「あぁ……っ!」
 刺すような快感が、潰された乳首から生まれる。そのまま、強く、捏ねるように指先で苛められた。
「ぁ……ぁ……ぁ……い、やだ……直樹……や……っ」
「いやじゃなくて、イイだろう? ねえ、兄さん。乳首、指で捏ねられるのと、口で吸われるのと、どっちが好き?」
 言いながら、指で苛めているのとは別の乳首に、直樹の唇が落ちる。チュッと吸い上げられ、舌先で突つかれた。
「んっ……ふ」
 胸がジンジンと疼く。小刻みに弱い部分を責めてくる抽挿にも、慎也は惑乱させられた。
 痛いはずだったのに、いつのまにか消えている。それくらい、全身に与えられる愛撫に、慎也の身体は蕩けていた。
 弟なのに。今、自分を抱いているのは、実の弟なのに。
 それなのに、かつてのどのセックスよりも、慎也は感じきった喘ぎを上げている。抽挿に合わせるように、下肢が揺らいだ。
「答えられない? まあいいや。俺は、兄さんの乳首、指で弄るのも、こうやって吸ってやるのも、どっちも好き。本当はペニスも舐めるのが好きだけど、それはまたあとでしてあげるね。今は……あぁ、兄さん、出していい? 兄さんの中で、俺の精液、撒いていい? 撒くよ。兄さんも一緒にイッて……!」
「やっ……いやだっ……イくな……っ! 俺の中に出すな……っ! やぁぁぁぁぁ──……っっ!」
 乱暴なほど激しく慎也の性器を扱きながら、直樹がぶつかるような勢いで、慎也の中を抉り、突き上げる。
 ドクリ、と最奥で弟の欲望が膨れた。
 同時に、敏感な先端をグリグリと擦られる。
 ブルンと慎也は震えた。次の瞬間、弟の胤が勢いよく体内で迸る。
「くっ……兄さん……!」
「いやだぁぁぁぁ──……っっ!」
 熱い迸りに中が収縮し、信じられない快感が全身を貫いた。握られた花芯から、ビュッと蜜が飛び出す。
 ヒクヒクと震えながら、慎也は直樹に貫かれて、絶頂に達した。
 ──う……そ……。
 身体の中の濡れた、熱い感触。
 胸まで飛び散った、自分の蜜の粘つき。
 呆然としている慎也に対して、直樹は嬉しげだ。
「兄さんもよかったよね? こんなに蜜が飛び散って……。ん、美味しい。全部、舐めてあげる」
「や……めろ、直樹。やめろ……」
 胸に飛んだ精液を、直樹がうっとりと舐めとっていく。
 こんなものが、弟には美味しいのだ。
 兄を、愛しているから──。
 耐えられない。慎也はギクシャクと首を振る。頭が真っ白で、もうなにも考えられなかった。
 直樹が陶然と囁く。ただ慎也の蜜を舐めているだけで、達したばかりのはずの直樹の怒張は再び硬度を取り戻していた。
「──ねえ、兄さん。このままもう一度、兄さんの中でイッてもいい? 兄さんがよすぎて……何度でもできそうだ」
「やめ……いや、だ……直樹……や……」
 啜り泣くような拒絶も、直樹は聞いてくれない。ようやく手にした兄の身体に、直樹は完全に溺れているようだった。
「兄さん、愛してる。……お願いだから、俺を拒まないで……」
「あ、あ、あ……やだぁぁぁっ……!」
 叫びながら、慎也は直樹に抱かれた。声がかれてもなお、抱かれ続けた。