MAGNA2008年8月号〜連載中!
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征志
ユキ
翔子
亜美 時江
ミサ
美帆
圭一
悦子
原作者:有川 浩
漫画家:村山 渉
──まず『阪急電車』コミカライズについて。
有川
私はメディアミックスに関して特に抵抗は無いです。求めるものがあるとすれば、『阪急電車』の内容そのままを漫画にするのではなく、漫画家さん自身のアレンジで描いて頂ければいいな、と思いました。村山さんに最初に見せて頂いた絵コンテ(イメージボード)やキャラクターデザインがしっくりきましたし、その中でも特に好きだったのが、階段を駆け上がった征志
※1
が肩で息をしながらユキ
※2
にお誘いをかけるというシーン(笑)。その切り取り方がすごく鮮烈で、それを見た瞬間にこの方でいいんじゃないかな、と思いました。
(※1 原作・漫画版第1話の主人公)
(※2 同じく原作・漫画版第1話の主人公)
村山
あのシーン、描いてよかったです。
今回、微妙に変わってるのが惜しいな、っていう…(笑)。
そんなにお気に入りだったとは…!(笑)
──有川先生は征志が好みのタイプなんですか?
現実的に近いのは征志かなぁ、と思いますけど。圭一も書いてて楽しかったですよ。
私も圭一と美帆
※3
がすごく好きで、早く描きたいんですよ! あの二人はいいですよね、楽しみです。すっごい恥ずかしい感じにしてやろうかと(笑)。
ありがとうございます。もうベッタベタにしてやって下さい。別冊図書館戦争のオビ
※4
で避難勧告を出してから色んなモノが吹っ切れました、はい(笑)。
(※3 原作第7話の主人公二人)
(※4 『図書館戦争』(アスキー・メディアワークス刊)シリーズのスピンオフ、『別冊 図書館戦争・I』(同社刊)のオビには、“恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控えください”という警告文が…)
──『阪急電車』コミカライズを手がけるにあたって。
本当にこの本で良かった、面白いですね。それに…育児もあり漫画から離れていたので、「また漫画が描ける」「しばらく生活が出来る」と思うと嬉しかったです。
──『阪急電車』執筆のきっかけとは?
電車というのは小説の舞台として面白いよね、という旦那の示唆もありまして。自分の住んでいる阪急今津線と照らし合わせて、折り返しまで考えると丁度手ごろな分量の一冊になるなと、企画ありきで始まったものなんですね。同じ頃幻冬舎の編集さんからのオファーがありまして、一年くらい保留にしてもらっていたんですが、すごく熱心に新刊が出るたびに手書きでお手紙を頂いて。もうこれ以上お待たせするのも申し訳ないので「こういう企画込みで良ければ一本やれますけどいかがですか?」というお話をさせて頂きました。
──旦那様はプロデューサーですね。
プロデューサーというか、あの人はどちらかと言うと私の外付けハードディスク(笑)。大事な事を覚えておいてくれるのと、色々拾って集めておいてくれる。
──『阪急電車』登場人物にモデルはいるのでしょうか?
電車の中で見かけた人をモデルにしている人物も何人かいます。例えばえっちゃん。
※5
途中までは実際、私が聞いた話で、あとはちょっと想像を膨らませて頂きました。それに、座席に鞄を投げるおばさん
※6
とか先に友達の席取りをしていて怒られる女の子
※7
は見た事があります。
(※5 原作第6話に登場。第11話の主人公でもある)
(※6 原作第9話に登場)
(※7 同じく原作第9話に登場)
──他人に無関心な世の中、電車という空間は良くも悪くもコミュニケーションが生まれ易いのかもしれませんね。
この前、眠っている女の子を「終電だよ、起きなー」とトントン叩いているおじさんを見ました。
私が見たのは、すごい泥酔状態の女の子。這って電車の連結部分まで行ってました。多分、吐きに行ってたんですよ(笑)。
一同 えーーーー!?(笑)
もう、ずるずると這って(笑)。そのままそこで力尽きて寝ちゃう。連結板の上だから、危なくてしょうがなくって。仕方がないから、一番近くにいるおじさんが暗黙の了解で、「おじょーちゃん!」って抱えて席に戻して。でも、もう何度も何度も這って連結板に。多分、床に吐いちゃ駄目だっていう意識が残ってるんですよね、どこかで無意識に。少なくとも2〜3回はおじさんが席に引き戻してました。
──コミック版の意気込み・見所など。
有川先生も仰ってたように、原作で表現されていない部分やアレンジを描けたらいいかな、と思ってます。例えば、征志とユキが図書館で目を合わせてるんですけど、「やっぱりそこから意識し始めたかな?」という原作には無い、でも実は…という様な所を描いていけたらいいかな、と思ってます。
活字と絵の面白さの違いですよね。活字でそれを書いてしまうと、ネタバレですからね。絵だと、ふっと目が合った無言の1コマは伏線として成り立つ。
──グレーの部分が描けるのは漫画の強みですよね。
活字で一番難しいのは、そのグレー部分をどうぼかして書くかっていう所で、わざわざ「彼女と一瞬、目が合った」とか書いてしまうと、「彼女」も気付いたんだろうな、と読者さん側には伝わっちゃう。そういった演出部分の細かい所を拾っていってもらえるのは嬉しいですし、村山さんの解釈でもっと大胆なアレンジをしてもらってもいいです。活字をそのまま別の媒体に起こしても、それは面白くならないと私は思ってます。何しろ使える尺が違う。活字は活字、漫画は漫画、アニメはアニメでしか出来ない事が色々あるので、そこは本職にお任せしたい所ですね。
「勝手にこんな感じにしていいのかな?」という所もあったんで良かったです。
問題無いですよ。数少ないダメ出しは、関西弁の使い方や最初美帆が巨乳だった事に対してですね。「すいません、キャラクターデザインの緩急つけるならむしろ貧乳でお願いします」と。どこまで貧乳好きか
※8
って話なんですが(笑)。
(※8 『図書館戦争』の主人公・郁も貧乳である…)
ユキがスレンダー系かなと思ったので「じゃあ美帆は巨乳にすっか」という感じでした。でもやっぱり有川先生が仰った通り貧乳の方が萌えですね(笑)。その分、他のキャラが増量しましたけど。
──原作に無かった描写としては、征志の眼鏡もありますね。
私は小説書く時に、キャラクターの描写を必要最低限しかしないんですよ。しかも背の高低くらいしか…。キャラクターの外見は細かく決めてなくて、お好きな感じにキャスティングして下さい状態になってるから、眼鏡キャラで仕上がってきた時には多少驚きましたが、読んでみると「あ、いーじゃん、いけるじゃん」と。それにキャラクターの描き分けの意味合いもあるのだろうと思ったので。美帆の「ぷに系」は同じく理屈は分かるけど、ゴメン、私はやっぱり貧乳の方が好きだ(笑)。もし良かったら単行本になる時に初期設定集とかつけて、幻の「ぷに美帆」を見せるとか。「有川浩があまりにも貧乳好きなので貧乳になりました。可哀想に」とかコメント入りで(笑)。
──美帆の恋人、圭一に関して。
美帆は巨乳か貧乳かくらいの差なんだけど、圭一だけちょっと違うかな、とリテイクを出させてもらったら、一発で「あ、これ、どストライクです」という圭一に仕上がってきました。
──最初、オールバック+バンダナの格好良い系でした。
格好良くし過ぎちゃいましたね。ちょっと硬派な感じにしました。
「格好良くなりそうなんだけど、本人は微妙に無頓着」というところを突きたかったので。後は髪がだらしなく長いイメージだったんですよね。という事で今の圭一で感無量です。第一話の扉にはまだ出てきてないですけど、えっちゃんの彼氏もいいキャラクターデザインになってます。それに、村山さんは絵柄に清潔感がありますよね。女の子から見ても読みたい感じの。私の作品は女性の読者さんも多いので、男性萌え的にすごく可愛らしい絵の描ける方でも、女性にも受け入れられる絵柄じゃないとちょっと…という所があるかもしれません。その点、男女を問わず魅力的な絵柄でいらっしゃるので良かったです。この圭一・美帆のカップルは、結構お気に入りなので可愛く描いてやって下さい。あの二人の色んな意味でダメダメな所を(笑)。
背景にハートが飛びまくってるのが見えるくらいの勢いで(笑)。
──各キャラクターのどこかに、何かしら既視感めいたものを感じますよね。自分や友達や知り合いの話の様な。その分共感しやすい。
感情移入し易いキャラクターばかりで描き易いし、読む側にもいいんじゃないかなと思っています。…翔子
※9
は大変な人ですけど(笑)。…結構好きです。
翔子と時江
※10
が一番人気ですよ。
(※9 原作第2話の主人公)
(※10 漫画版第1話で征志を促した老女。原作第3話の主人公)
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有川 浩(Arikawa Hiro)
誕生日 梅雨時
出身地 高知県
血液型 A型
趣味など 散歩
2003年、『塩の街 』(アスキー・メディアワークス刊)で第10回電撃小説大賞<大賞>を受賞。
代表作『図書館戦争』(アスキー・メディアワークス刊)はシリーズで100万部を突破。
近著に『ラブコメ今昔』(角川書店刊)などがある。
村山 渉(Murayama Wataru)
誕生日 11月4日 蠍座
出身地 東京都
血液型 A よくABと間違われますが…
趣味など 最近は特撮鑑賞
2002年、「月刊コミックブレイド」(マッグガーデン刊)にて 『デザートコーラル』で連載デビュー。
代表作は『ジャンクヤード・マグネティク』(同社刊)
©
HIRO ARIKAWA,GENTOSHA 2008
片道わずか15分。そのとき、物語が動き出す。
阪急電車
(幻冬舎刊)
有川 浩
定価(本体1,400円+税)
恋の始まり、別れの兆し
、そして途中下車……関西のローカル線を舞台に繰り
広げられる、片道わずか15分の胸キュン物語。大ベストセラー『図書館戦争』
シリ
ーズの著者による傑作の連作集。
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