『第一回 幻狼大賞』にたくさんのご応募ありがとうございます。
 今回小説部門では、コメディタッチのファンタジーでオリジナリティ溢れる世界観とテンポのいい文体に高い評価が集まった甲田由氏の『魔王。をプロデュース』を優秀賞に選びました。
 また、奨励賞は夏希のたね氏の『クリムゾンオーガ』、学生特別奨励賞は京都精華大学・渡邊則幸氏の『フクロウ』となりました。どちらもまだ粗さの残る部分はあるものの、それを上回るほどに煌く魅力があり、今後に期待をしております。
 イラスト部門では、奨励賞に憂氏、学生特別奨励賞にねこ氏を選びました。まだまだ未熟な部分もあり優秀賞とはなりませんでしたが、それぞれがもつ際だつ個性をうまく表現していたのが印象として残りました。
 残念ながら賞に選ばれなかった方たちは、次回こそは期待してお待ちしておりますので、是非とも力作を期待します。

幻狼ファンタジアノベルス編集部

【小説部門】
幻狼大賞…………該当作品なし
優秀賞……………『魔王。をプロデュース』 神奈川県/甲田由
奨励賞……………『クリムゾンオーガ』 千葉県/夏希のたね
学生特別優秀賞……………該当作品なし
学生特別奨励賞……………『フクロウ』 京都府/渡邊則幸【京都精華大学】


【イラスト部門】
優秀賞……………該当作品なし
奨励賞……………『金色歌劇』 東京都/憂
学生特別奨励賞……『笑った』 大阪府/ねこ【大阪総合デザイン専門学校】






優秀賞
『魔王。をプロデュース』 神奈川県/甲田由
【あらすじ】
その恐ろしすぎる容貌により、部下の前にすら顔を出せないという魔王ダビル=ゴズ。その影武者に選ばれたのは、いかつい外見の中に乙女の心を持つ中年メィズだった! しっかりものの娘ベルと一緒に魔王城に住むことになったメィズ……果たして彼に魔王の代役は務まるのか!?

【講評】
受賞の決め手は、何といっても完成度の高さですね。コメディに不可欠なテンポのよさとぶっ飛んだキャラクター、パロディをオリジナルに変えるセンス、全てが高いレベルにあります。特に全編を通して見られるメィズとベルの父娘コントには、一読者として何度も笑わせてもらいました。ぐいぐいと読者を引っ張っていく筆力もあり、今後どんな物語を見せてくれるのか楽しみです。

【受賞コメント】
あーだ『こーだゆう』です。第一回に受賞できて光栄です、ありがとうございました。 ゴールではなくスタートのテープを切ったばかり。「読んで良かった」物語を書き続けられるよう精進します。どうぞ見守って下さい。


奨励賞
『クリムゾンオーガ』 千葉県/夏希のたね
【あらすじ】
7年前……赤銅柘榴は怪物の手により幼馴染みの少女を失った。以来、怪物を狩る「狩人」として戦い続けていた彼の前に、U・Dと名乗る謎の少女が現れる。押しかけるようにパートナーになった彼女に、少しずつ心を開いていく柘榴だったが……。

【講評】
異能という「枷」を背負った男と謎めいた少女が怪物と戦うという、まさに王道の設定です。それを魅力ある物語として描き切るには相当な技量が要求されますが、本作はそれにしっかりと応えるものでした。ただ、キャラクターは魅力的であるものの、ややテンプレートから抜けられていない点があり、そこは今後の課題ですね。

【受賞コメント】
すっかり落選したものと思いこんでいたので、携帯電話の見知らぬ着信履歴にかけ直し、編集部に繋がった時は心底驚きました。今も「夢オチかドッキリだろ?」と疑っています。


学生特別奨励賞
『フクロウ』 京都府/渡邊則幸【京都精華大学】
【あらすじ】
華やかな装飾の裏にべっとりとした闇が潜む籠森市。この街で行方不明になった妹を探す大学生・ショウヤは、人捜しを生業とする少女・フクロウとともに調査を進める中で、幾人もの「鳥の名前」を持つ人々と出会い、そして街の「秘密」を知ることになる……。

【講評】
文章やストーリー展開にはまだ粗い部分が散見されるのですが、それを上回るオリジナリティを持った作品でした。「籠森市」という世界に潜む闇を体現したかのような、ぞくりとする空気感はなかなか出せるものではありません。まだ19歳という年齢を考えると、破格の表現力といえるでしょう。

【受賞コメント】
まず拙作を選出してくださった審査員の方々、この度はどうもありがとうございます。家族や友人に対しても、感謝の気持ちでいっぱいです。これからもより作品を高められるよう、努力しますのでよろしくお願いします。


もう一歩
『彼方から届くうた』 埼玉県/石井颯人
【講評】
設定そのものは非常によかったのですが、情報の整理や出し方が拙く、「謎解き」をスムーズに楽しむことができなかった点が残念でした。
『黒い雨に赤く滴り』 千葉県/衣谷創【文教大学】
【講評】
独特の空気感を感じさせる文体に才能を感じます。ただ、設定・物語展開ともにあまりに地味で、読者を惹きつける輝きが不足していました。
『終わりて始まる永き旅』 愛知県/今葷倍正弥
【講評】
魅力的な設定と伏線回収の巧みさに、物語作りのセンスを感じます。ただし、本作の見どころであるべきキャラに突出した個性が感じられなかったのが残念。
『民間殺人受請会社 ―Private Marder Contact Company―』
埼玉県/瓜生秀彦
【講評】
文章力が高く、設定も尖っていて面白いのですが、その尖がった設定へのフォローが足りず、読み手の共感が得られにくい作品となってしまっています。
『WWW』 京都府/桑原力飛【京都精華大学】
【講評】
読みやすい文体とキャッチーなキャラクターは高評価。ただ、まだ表現や言葉の選び方に稚拙な部分があり、書き慣れが不足しているように感じました。
『導の光、彼方』 宮城県/彩木沙茄
【講評】
文章力、設定力、ともに巧みさを感じましたが、突出した魅力がなく、小さくまとまってしまっている印象でした。
『暗黒竜に口づけを』 静岡県/高崎隼冬
【講評】
18歳という年齢を感じさせない文章力に驚きましたが、それだけに展開の安易さやキャラの魅力の乏しさなどが気になります。さらなる作り込みを!
『カミツクリ』 兵庫県/二六零
【講評】
現実の歴史をファンタジーに転化した発想は見事でした。ただし、練り込まれた設定だけに、もっと丁寧に説明する工夫が欲しかったです。
『H@NDOKU』 北海道/野口祐加
【講評】
記憶をディスク化するという設定は非常に面白かったのですが、あえて現代⇔異世界移動ものにする必要性を感じず、強い違和感が残りました。



     


奨励賞
     
『金色歌劇』 東京都/憂
     
【受賞コメント】
バタバタと駆け抜けるように制作をしたので、結果を頂いて吃驚です。拙い作品に目を留めて頂き、有難う御座いました。金色や音楽はとても好きなテーマなので、またじっくり向きあってみたいですね。

【講評】
テーマをしっかりと表現しており、一枚のイラストの世界に引き込まれる。特にカラーの華やかさは、丁寧且つ緻密である。だが、モノクロはカラーが華やかな反面、地味な印象を受けた。もう少し、背景をきちんと描き、カラーと同じくらいのレベルまで上げてほしい。


     

 
学生特別奨励賞
       
『笑った』
大阪府/ねこ【大阪総合デザイン専門学校】
       
【受賞コメント】
受賞のお知らせをいただき、まさか私がと驚きました。一枚一枚、頑張って描いたので嬉しいです。これからも一層精進していきます。ありがとうございました!

【講評】
イラストの構図やキャラクターの表情など、きちんと表現されている。また、カラーの淡い色がイラストの雰囲気をうまく、際だたせていた。惜しむらくは、モノクロのトーン使いがうまくないこと。もっと努力が必要である。


     

もう一歩
     
『華風』他 
岐阜県/尾関宏太
     
【講評】
前作と比べるとキャラクターの表情をうまく描いている。しかし、時間がなかったのか、モノクロの雑さが目立った。題材をかえて、新たなものに挑戦してみよう。


     
『無題』 
東京都/高槻
     
【講評】
全体的に勢いのあるイラストに仕上がっている。キャラクターの表情もよく、いきいきとしている。今後はキャラクターの年齢の幅をひろげ、様々な人物を描いて欲しい。
 
『REQUIEM』他 
愛知県/瀬戸【名古屋コミュニケーションアート専門学校】
【講評】
カラーの色合いや背景、キャラクターなど、力作揃いではある。その反面、モノクロの拙さが目立っていた。カラーのレベルをモノクロにも反映させて欲しい。

     
『Four fateful encounters』 
東京都/宣教師ゴンドルフ
     
【講評】
カラーもモノクロもレベルの高さが伺える。しかし、全体的に絵柄がレトロであるため、見る側の好き嫌いが別れてしまう。最近の絵柄の傾向を研究して、取り入れて欲しい。









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